今月の税務情報は、「給与所得控除・特定支出控除の改正」についてご案内します。
■ 給与所得控除の改正
平成24年度税制改正によって、その年中の給与等の収入金額が1,500万円を超える場合の給与所得控除額については、245万円とすることとされました。
この給与所得控除の見直しに伴い、給与所得の源泉徴収税額表(月額表及び日額表)、賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表及び年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表について、改正が行われました。
■ 適用関係
給与所得控除の改正は、平成25年分以後の所得税について適用されます。
なお、源泉徴収税額表については、復興特別所得税の創設による改正も含めて、平成25年1月1日以後に支払うべき給与等について適用されます。
■ 給与所得者の特定支出控除
給与所得者が、特定支出をした場合において、その年中の特定支出の額の合計額が給与所得控除額を超えるときは、給与等の収入金額から給与所得控除額を控除した残額からその超える部分の金額を控除した金額を、給与所得の金額とすることができることとされています。
■ 特定支出とは
特定支出とは、次に掲げる支出をいいますが、給与等の支払者から補てんされ、かつ、その補てん部分について所得税が課されない場合には、その補てんされる部分は除くこととされています。
また、いずれもその者の職務の遂行に直接必要なもの等として、給与等の支払者により証明がなされたものに限られます。
- 通勤費
- 転任旅費
- 研修費(資格取得費を除きます)
- 資格取得費(弁護士、税理士などの資格を除きます)
- 単身赴任者等の帰宅旅費
■ 特定支出控除の改正
平成24年度税制改正によって、特定支出控除に関して、加算額の計算方法と特定支出の範囲の改正が行われました。
なお、この改正は、平成25年分以後の所得税について適用されます。
■ 加算額の計算方法の改正
その年中の特定支出の額の合計額が、次の金額を超える場合は、給与所得の金額の計算上、その超える部分の金額を給与所得控除額に加算することとされました。
- その年中の給与等の収入金額が1,500万円以下である場合には、その年中の給与所得控除額の2分の1に相当する金額
- その年中の給与等の収入金額が1,500万円を超える場合には、125万円
■ 特定支出の範囲の改正
次の支出について、特定支出の範囲に加えることとされました。
- 弁護士、税理士などの資格取得費
- 次の職務関連支出(支出額が65万円を超える場合には、65万円)
- 書籍等の図書費、制服等の衣服費
- 交際費等