2010年5月31日（月）
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今月の税務情報 vol.13 「上場株式の配当に対する課税方式」 |
今月の税務情報は、「上場株式の配当に対する課税方式」についてご案内します。
■ 概要
上場株式の配当については、その支払を受ける際に、所得税7％、住民税3％の税率で源泉徴収が行われます。
所得税、住民税の課税については、源泉徴収だけで課税関係を完結させ、確定申告をしない方法と確定申告をする方法があります。
また、確定申告する場合について、他の所得と合算する総合課税と他の所得と合算しない申告分離課税の2種類があります。
■ 申告不要制度
上場株式の配当については、大口株主等（上場会社の発行済株式の5％以上を保有している株主）が受ける場合を除いて、支払いを受けるべき配当の金額にかかわらず、申告不要制度を選択することができます。
申告不要制度の選択は、支払を受けた配当ごとに選択することができます。
■ 総合課税
総合課税（確定申告）を選択した場合には、給与所得や雑所得などの他の所得と合算して、所得税については超過累進税率（5％から40％までの6段階）によって、住民税については10％の税率によって課税されることになります。
この場合には、配当控除の適用を受けることができます。
■ 申告分離課税
申告分離課税（確定申告）を選択した場合には、給与所得や雑所得などの他の所得とは合算しないで、原則として、配当所得に対して所得税7％、住民税3％の税率で課税されることになります。
上場株式の配当については、所得税7％、住民税3％の税率で源泉徴収が行われていますので、通常であれば、申告する意味はありませんが、申告分離課税を選択した場合には、上場株式等の譲渡損失との、損益通算が可能となります。
なお、申告分離課税の選択は、申告する上場株式の配当の全額についてしなければならないこととされています。
また、申告分離課税を選択した場合には、配当控除の適用を受けることはできません。
■ 控除対象配偶者等の判定
控除対象配偶者や扶養親族の判定の際に、申告不要制度を選択した配当については、合計所得金額に含まれませんが、確定申告を選択した場合には、配当所得の金額が合計所得金額に含まれますので、注意する必要があります。
なお、申告分離課税の場合、上場株式等に係る配当所得との損益通算の特例の適用を受けている場合には、その適用後の金額、上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の適用を受けている場合には、その適用前の金額が合計所得金額に含まれることになります。
■ 支払調書
確定申告をする場合には、配当の支払者から交付された上場株式等の配当の支払調書を添付する必要があります。
この支払調書は、配当の支払の都度交付される場合と、年に1回まとめて交付される場合があります。
来月も「税務情報」をご案内します。お楽しみに！
