今月の税務情報は、「復興特別法人税」についてご案内します。
■ 復興特別法人税制度の創設
いわゆる復興財源確保法によって復興特別法人税制度が創設され、平成24年4月1日から施行されています。ここでは、その内容について確認していきます。
■ 納税義務者
法人は、基準法人税額について、復興特別法人税の納税義務があります。基準法人税額とは、法人税の課税標準である、各事業年度の所得の金額について計算された法人税の額(所得税額控除や外国税額控除を適用する前の税額で附帯税を除きます)のことです。
■ 課税事業年度
復興特別法人税の課税事業年度は、原則として、平成24年4月1日から平成27年3月31日までの期間(指定期間)内に、最初に開始する事業年度から、3事業年度とされています。
したがって、3月決算法人であれば、平成25年3月期から平成27年3月期までの3事業年度が対象となります。
■ 復興特別法人税の額
復興特別法人税の額は、課税標準法人税額×10%となります。課税標準法人税額とは、原則として各課税事業年度の基準法人税額とされています。
法人に対して課された復興特別所得税の額については、法人税の額から控除する所得税の額の取扱いに準じて、復興特別法人税の額から控除することとされています。
■ 復興特別所得税
源泉徴収義務者は、平成25年1月1日から平成49年12月31日までの間に所得税の源泉徴収を行う際に、復興特別所得税(基準所得税額×2.1%)を併せて徴収することとされています。所得税と併せて徴収されますので、復興特別所得税の額は、源泉徴収された「所得税及び復興特別所得税の額」に102.1分の2.1を乗じて計算した金額となります。
■ 復興特別法人税の申告
法人は、各課税事業年度終了の日の翌日から2月以内に、税務署長に対し、復興特別法人税申告書を提出しなければなりません。
ただし、課税標準である課税特別法人税額がない場合には、復興特別法人税申告書の提出は必要ありません。
控除されるべき復興特別所得税が、復興特別法人税から控除しきれなかった場合は、還付を受けることができます。課税標準法人税額がない場合でも、控除をされるべき復興特別所得税があれば、復興特別法人税申告書を提出して還付を受けることができます。
■ 法人税の修正申告に伴う期限後申告
課税標準法人税額がないため復興特別法人税申告書を提出しなかった場合、その後その事業年度について法人税の修正申告にともなって復興特別法人税の期限後申告書を提出したときは、法人税について期限内申告が行われたかどうかにかかわらず、復興特別法人税については無申告加算税の規定が適用されます。
課税標準法人税額がないため復興特別法人税申告書の提出を要しない場合でも、課税標準法人税額をゼロとする申告書を提出していれば、無申告加算税の規定は適用されません。