残暑厳しき折、皆様ますますご健勝のことと存じ上げます。
平素は、宮田会計事務所に格別のご厚諠を賜り、厚く御礼申し上げます。今後とも、変わらぬお引き立てを賜りますよう、お願い申し上げます。まだしばらくはこの暑さが続くようなので、皆様どうかご自愛ください。
さて、久しぶりの当事務所から皆様へのご案内ですが、今回は 「寄附金の損金不算入制度」 の情報をお届けします。
■ 寄附金の取扱い
法人が寄附金を支出した場合には、その寄附金の種類に応じて、損金算入限度額が定められていますので、それを超える部分の金額については、損金不算入となります。
ここでは、寄附金の損金算入限度額について、確認していくことにしましょう。
■ 寄附金の範囲
法人税法における寄附金とは、寄附金、拠出金、見舞金その他の名義を問わず、金銭その他の資産、又は経済的な利益の贈与、又は無償の供与をいいます。
ただし、法人の事業遂行と直接的な関係があると認められる広告宣伝費、交際費、接待費及び福利厚生費等とされるべきものは、除かれることになります。
■ 寄附金と交際費等の区分
事業に直接関係のない者に対して金銭、物品等の贈与をした場合において、それが寄附金であるか、交際費等であるかは、個々の実態により判定することになりますが、社会事業団体、政治団体に対する拠金や、神社の祭礼等の寄贈金については、原則として交際費等ではなく、寄附金とされています。
■ 一般の寄附金の損金算入限度額
一般の寄附金の損金算入限度額は、期末の資本金等の額を基にした資本金基準額と、当期の所得の金額を基にした所得基準額によって、次のとおり計算することになります。
(資本金基準額+所得基準額)×1/4
- 資本金基準額=期末の資本金等の額(当期が1年未満の場合は月割額)×2.5/1000
- 所得基準額=当期の所得の金額(寄附金を損金算入する前の金額)×2.5/100
■ 完全支配関係がある法人に対する寄附金
完全支配関係(法人による完全支配関係)がある他の法人に対して、支出した寄附金の額については、全額が損金不算入となります。
■ 国等に対する寄附全
国又は地方公共団体に対する寄附金(寄附した者が寄附によって設けられた設備を専属的に利用する場合や、特別な利益が及ぶと認められるものを除きます)、財務大臣が指定した公益法人等に対する寄附金(指定寄附金)については、全額を損金算入することができます。
■ 特定公益増進法人等に対する寄附金
特定公益増進法人に対する寄附金、特定公益信託の信託財産として支出した金銭の額(その目的が教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与するもの)、認定特定非営利活動法人(認定NPO法人)に対する寄附金については、一般の寄附金とは別枠で損金算入限度額を計算することになっています。
損金算入限度額は、期末の資本金等の額を基にした資本金基準額と、当期の所得の金額を基にした所得基準額によって、次のとおり計算することになります。
(資本金基準額+所得基準額)×1/2
- 資本金基準額=期末の資本金等の額(当期が1年未満の場合は月割額)×3.75/1000
- 所得基準額=当期の所得の金額(寄附金を損金算入する前の金額)×6.25/100