新年おめでとうございます。幸多き新春を迎えられたこととお喜び申し上げます。旧年中は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。本年も変わらぬご厚誼のほど、よろしくお願い申し上げます。皆々様にとって、実りある一年でありますように、ご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
今回の税務情報は、「下請法改正による振込手数料の変更に注意」についてご案内します。令和8年1月1日から下請法が取適法(とりてきほう)に改められ、対象となる事業者や取引の拡大などが行われます。この改正について税務上注意が必要なのは、振込手数料が売手負担であった場合です。新たなルールに注意しながら、経理処理や税務上のポイントを確認します。
■ 取適法とは
取適法は、「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」の通称です。下請代金支払遅延等防止法(通称:下請法)から法律名が改められ、主に次の見直しが行われます。
| 項 目 |
内 容 |
| 用語の変更 |
- 親事業者 → 委託事業者
- 下請事業者 → 中小受託事業者
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| 適用対象の拡大 |
- 適用基準に「従業員基準」を追加
- 対象取引に「特定運送委託」を追加
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| 禁止行為の追加 |
- 協議に応じない一方的な代金決定の禁止
- 手形払等の禁止
- 振込手数料を負担させることの禁止
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■ 売手負担の振込手数料が禁止に
下請法では、書面での合意があれば、振込手数料の負担を下請事業者(=売手)とすることが可能でした。これが取適法では、合意の有無にかかわらず、委託事業者(=買手)が振込手数料を中小受託事業者(=売手)に負担させ、代金から差し引くことは違反になります。取適法の対象となる取引を洗い出し、代金振込の場合は、振込手数料はどちらの負担か確認しましょう。
■ 経理処理の変更に注意
振込手数料が買手負担であれば、これまでと変わりません。他方、売手負担である場合は、取引内容の変更の他、この変更に伴う経理処理、特に消費税の対応に注意します。
(1)売手側
これまで売手負担であった場合には、この負担がなくなります。仮に振込手数料相当額を売上値引きとしていた場合は、この経理処理が不要となり、売上げに係る対価の返還等などの消費税に係る処理も不要となります。
(2)買手側
上記(1)のように値引きとしていた場合には、買手負担となることで、買手側は仕入値引きの経理処理の他、仕入れに係る対価の返還等などの消費税に係る処理も不要となり、通常の振込手数料の経理処理のみとなります。インボイス対応も同様です。これまでの処理状況に応じて変更を行いましょう。
■ 発注日ベースで
取適法は、令和8年1月1日以降に発注する 日以降に発注する取引からの適用です。そのため、負担が変わる場合であっても、1月の振込は従前のままの可能性も考えられます。変更はいつからか取引内容がわかる書類で確認しましょう。
| 【参考】 公正取引委員会「中小受託取引適正化法(取適法)関係」、国税庁「インボイス制度に関する Q&A」他 |