いよいよ今年最後の税務情報のお知らせとなりました。今月は、「年末調整・・・人的控除の改正点」についてご案内します。
■ 今年の改正点
今年も年末調整の時期がやってきました。年末調整は、毎月の給料や賞与の支払の際に源泉徴収した税額とその年の給与の支払総額に対して納めなければならない本来の年税額とを比較して、その過不足を清算する重要な手続きです。
平成23年分の年末調整については、昨年の年末調整と比べて人的控除のうち、扶養控除、配偶者控除、障害者控除が大きく改正されていますので、その内容を確認していきます。
■ 扶養控除の改正
昨年までは、扶養親族がある場合に扶養控除の適用がありましたが、今年からは、控除対象扶養親族がある場合に、扶養控除の適用があります。
控除対象扶養親族とは、扶養親族のうち年齢16歳以上の人(平成23年分については、平成8年1月1日以前生まれの人)をいいますので、16歳未満の扶養親族については、扶養控除の対象外となりました。
また、昨年までは年齢16歳以上23歳未満の扶養親族は、特定扶養親族として扶養控除額が63万円とされていましたが、今年から、特定扶養親族とは、年齢19歳以上23歳未満の人(平成23年分については、昭和64年1月2日〜平成5年1月1日生まれの人)をいうことになりましたので、16歳以上19歳未満の扶養親族については、一般の控除対象扶養親族です。
なお、扶養親族が同居特別障害者に該当する場合の、扶養控除額の加算措置(35万円)について、今年から廃止(障害者控除への改組)されました。
したがって、扶養控除額は、一般の控除対象扶養親族が38万円、特定扶養親族が63万円、一般の老人扶養親族が48万円、老人扶養親族のうち同居老親等が58万円のいずれかの金額となります。
■ 配偶者控除の改正
控除対象配偶者が、同居特別障害者に該当する場合の配偶者控除額の加算措置(35万円)について、今年から廃止(障害者控除への改組)されました。
したがって、配偶者控除は、一般の控除対象配偶者が38万円、老人控除対象配偶者が48万円のいずれかの金額となります。
■ 障害者控除の改正
控除対象配偶者、扶養親族が同居特別障害者に該当する場合の、障害者控除額の加算措置(35万円)が、新設(扶養控除、配偶者控除からの改組)されました。
これによって、控除対象配偶者または扶養親族のうちに障害者がいる場合の障害者控除額は、その人が一般の障害者である場合には27万円、同居特別障害者に該当しない特別障害者である場合には40万円、同居特別障害者である場合には75万円となります。
なお、扶養控除の対象者は、控除対象扶養親族となりましたが、障害者控除の対象となるのは扶養親族で、この点に関して改正は行われていませんので、注意する必要があります。
給与所得者本人が障害者である場合の障害者控除は、改正されていません。
以上が、「年末調整・・・人的控除の改正点」となります。最後になりましたが、今年も一年皆様よりご愛顧を賜り、誠にありがとうございました。明くる年も、ご家族皆様がご健康でありますように、心からお祈り申し上げます。