謹んで初春のご挨拶を申し上げます。 昨年中は格別のご厚誼にあずかり、誠にありがとうございました。本年もより一層のご愛顧をお願いするとともに、皆様のご健勝とご多幸を、心よりお祈り申し上げます。
輝かしき新年の最初となる税務情報は、「会社が支払った保険料の経済的利益」についてご案内します。
■ 経済的利益に対する課税関係
会社が、会社を契約者として、役員又は使用人を被保険者とする生命保険に加入して保険料を支払った場合の役員又は使用人が受ける経済的利益に対する課税関係は、保険の種類や保険金の受取人等によって異なります。
■ 養老保険の取扱い
会社が、会社を契約者として、役員又は使用人(これらの者の親族を含みます)を被保険者とする養老保険に加入して、その保険料を支払った場合の経済的利益については、次のように取り扱われることになります。
なお、養老保険とは、被保険者が死亡した場合のほか、保険期間の満了時に被保険者が生存している場合にも保険金が支払われることとなっている生命保険です。
- 死亡保険金及び生存保険金の受取人が会社である場合には、非課税とされます。
- 死亡保険金及び生存保険金の受取人が被保険者又はその遺族である場合には、その支払った保険料の額は、当該役員又は使用人に対する給与等として課税されます。
- 死亡保険金の受取人が被保険者の遺族で、生存保険金の受取人が会社である場合には、原則として非課税とされます。
■ 定期保険金の取扱い
会社が、会社を契約者として、役員又は使用人(これらの者の親族を含みます)を被保険者とする定期保険に加入してその保険料を支払った場合の経済的利益については、次のように取り扱われます。
なお、定期保険とは、一定期間内における被保険者の死亡を保険事故とする生命保険です。
- 死亡保険金の受取人が会社である場合には、非課税とされます。
- 死亡保険金の受取人が被保険者の遺族である場合には、原則として、非課税とされます。
■ 役員等のみを被保険者とする場合
養老保険の 3. 定期保険の 2. の取り扱いについて、役員又は特定の使用人のみを被保険者としている場合には、その支払った保険料のうち、2分の1相当額は、当該役員又は使用人に対する給与等として課税されることになります。
なお、保険加入の対象とする役員又は使用人について、加入資格の有無、保険金額等に格差が設けられている場合であっても、それが職種、年齢、勤続年数等に応ずる合理的な基準により、普遍的に設けられた格差であると認められるときは非課税となりますが、役員又は使用人の全部又は大部分が同族関係者である法人については、たとえその役員又は使用人の全部を対象として保険に加入する場合であっても、その同族関係者である役員又は使用人については、2分の1相当額が課税対象となります。
■ 定期付養老保険の取扱い
定期付養老保険の場合には、その保険料の額が生命保険証券等において養老保険に係る保険料の額と定期保険に係る保険料の額とに区分けされているときは、それぞれの保険料の支払があったものとして取り扱います。
また、その区分けが、されていないときは、養老保険の場合と同様に取り扱うことになります。